大阪・関西万博に登場した「TECH WORLD(テックワールド)」、はじめて聞いたときは単なる民間企業のパビリオンなのかなぁと思ったのですが、実際に訪れてみると単なる企業パビリオンのひとつではありませんでした。
行ってみればわかるのですが、このTECH WORLDなる謎の島は、実は台湾と深い関わりがあることがわかります。この記事では、TECH WORLDの中身、なぜ台湾という名前ではないのか?TECH WORLDを運営する玉山デジタルテックとは?といった“大人の事情”について、わかりやすく解説します。

国際情勢だけが理由かと思いきやそれだけでもないようです!
TECH WORLD(テックワールド)とは?

TECH WORLDは、台湾にルーツを持つ企業「玉山デジタルテック株式会社」が出展するパビリオンです。
最新のデジタル技術と、自然や文化へのリスペクトを融合させた、まさに“体験型”の展示が特徴です。
展示は「生命」「自然」「未来」の3つのエリアに分かれており、AI、映像、香り、触感、さらには心拍数まで活用する体験型の展示が用意されています。560台のタブレットやAR演出など、台湾の技術力を体感できる構成です。
台湾が大阪万博に出展できない大人の事情
本来なら「台湾館」があってもよさそうですが、万博の主催団体であるBIE(博覧会国際事務局)には台湾が加盟していないため、国家としての出展が認められていません。
これは国際的な政治事情によるもので、中国との関係を考慮した結果でもあります。
そのため、台湾は「民間企業」としてパビリオンを出展するという形を選びました。表向きは日本法人による出展ですが、実質的には台湾貿易センター(TAITRA)が100%出資して設立・支援しており、台湾の技術や文化を紹介する目的がありそうな気配です。
玉山デジタルテックとは?

玉山デジタルテックは、台湾貿易センターが日本に設立した法人で、今回のパビリオンの公式な出展者です。
名前の「玉山」は台湾最高峰の山で、台湾を象徴する存在。まさに「台湾らしさ」を企業名で示していると言えるでしょう。
名誉会長の黄志芳氏は、開幕式で「万博は国境を越える場所。台湾の知恵を世界と共有したい」と語りました。展示には、台湾の画家の作品をAIで再現したアートや、台湾の半導体企業が関わった技術などが取り入れられています。
TECH WORLD(テックワールド)の感想

実際に訪れてみると、パビリオン内は想像以上にデジタル技術が駆使されており、五感を刺激される内容でした。特に心拍リストバンドを使って個人の感情の動きに応じた台湾旅行のプランが最後に表示される仕組みは面白味があり、台湾旅行に行きたいなと思いました。

映像や香りだけでなく、AIアートや自然の音などが空間全体に使われていて、ただ見るだけの展示とは一線を画しています。
実質、台湾館だと感じる人も多いでしょうし、ガイドの方も「台湾」「台湾杉」「台湾の半導体産業」と台湾を連呼してしまっていますw
台湾好きにも、デジタルアート好きにも刺さる内容だと思います。
【まとめ】TECH WORLD(テックワールド)は民間企業・玉山デジタルテックが運営する実質台湾パビリオン
TECH WORLDは、政治的な事情から“台湾館”とは名乗れないものの、中身を見れば明らかに台湾が全面的に関わっている展示です。日本法人の名義で出展していても、その技術、文化の発信はまさに台湾のもの。
展示のクオリティも高く、AI、アート、自然、感情分析といった最新のテーマが盛り込まれており、台湾の技術力と表現力を存分に感じられます。大阪・関西万博に行くなら、ぜひ体験しておきたい“台湾?パビリオン”です。
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